第23章

まだ起き上がる間もなかった二人は、今度こそ本当に起き上がれなくなった。風間怜司の今夜の最悪な気分に、ちょうどいい捌け口ができたわけだ。

片方は息も絶え絶えに「助けてくれ……」と情けなく叫ぶ。ここは学校へ抜ける細い裏道。こんな時間に人影なんてない。

風間怜司はそいつの手を踏みつけ、ぐり、と靴底で捻った。男が悲鳴を上げる。

「財布! 後ろポケット! 持ってけ、持ってけって!」

「俺が金に困ってるように見えるか?」

風間怜司は容赦なく蹴りを入れ、二人に言い捨てた。

「光里通りのあのカフェ。次にお前ら見かけたら、ブレーキ踏まねぇ」

そこでようやく二人は理解した。あの女の子に、誰かが落と...

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