第27章

みんな、ぽかんとした。

改めて斎藤雅美を見ると、目に見えて動揺している。

斎藤雅美は本当に焦っていた。視線が泳ぎ、口が勝手に滑る。

「ちょ、ちょっと聞けば分かることだし……」

小島奈緒は黙って彼女を見つめた。黒々とした瞳。その奥にあるのは、全部お見通しだと言わんばかりの視線で、斎藤雅美の心臓がひゅっと縮む。

奈緒は今朝、斎藤雅美が自分を見た目を思い出した。前世の経験から推測する。斎藤雅美は昨日、風間怜司に会っている。しかも――風間怜司の性格を考えれば、きっと手ひどくあしらわれた。

小島奈緒は、ふっと笑った。

「当たってるならさ。ボクシング部に行って風間怜司に会って、入部したいっ...

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