第55章

5分なんて、あっという間に過ぎた。

小島奈緒は更衣室へ着替えに行った。彼女が中へ入るのを見届けるや、青木達也がすぐに「会計!」と声を上げる。

松本直樹がレジへ向かい、会計を済ませた。青木達也はそのまま何事か二、三言、松本直樹に話しかける。

松本直樹の気持ちはどちらかといえば風間怜司寄りで、このロン毛を「敵側」だと見ていた。とはいえ店主として客をぞんざいに扱うわけにもいかない。営業スマイルで、当たり障りなく相槌を打つしかない。

そんなやり取りの最中、小島奈緒が着替えを終えて出てきた。青木達也は言葉を切り、同時に立ち上がる。

「上がり?」

小島奈緒はこくりとうなずいた。

「うん。あ...

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