第59章

金曜、小島奈緒は炎翼の契約書を持ってきて、風間怜司に目を通してもらった。怜司はざっと読んだだけで、素直に褒める。

「このスタジオ、いいと思う。ちゃんとしてる」

「私もそう思った。条項見れば分かるけど、筋が通ってるよね」奈緒も頷く。モデル側を守る文言が、いくつもきっちり入っていた。

それもそのはずだ。風間怜司が何時間もかけて手を入れた条項は、全方位で小島奈緒を守るためのものになっている。

だから彼は、にこりと笑って甘く誘った。

「じゃあ、ここで決まり。サインしよ」

奈緒は眉をひそめる。

「でも、あの社長がちょっと変。笑い方が怖い」

「……」

「こうしよう」怜司は眉間を指でつま...

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