第62章

「おばあちゃんは?」風間怜司がひょいと覗き込み、尋ねた。

「寝室で横になってる。あのリハビリの機械、巻いてあげてるの」小島奈緒が答える。

「コンセント、どこだ?」

怜司がきょろきょろ探すと、奈緒が場所を指した。彼は空気清浄機を運び出して差し込み、スイッチを入れる。背筋を伸ばし、腕を組んだまま、ぶおお……と唸る風の音に耳を澄ませた。

「先に座ってて」奈緒がソファを指す。「キッチン片づけたら、一緒に行くから」

今は少し時間に余裕がある。たまに別の日もボクシング部の練習に顔を出すけれど、月曜だけは固定で行く日になっていて、もう習慣だった。

「行くって何だよ。LINE見てねぇの?」怜司が...

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