第77章

「お父さんが……お母さんを殺したの?」

小島奈緒は、愕然としたまま言葉を失った。

 呆けた思考が、次の瞬間ふっと繋がる。――そうか。前の人生で、風間怜司の家には、そんな大きな出来事が起きていたんだ。

 彼が最後に私に会いに来たのは、打ち明けたかったから? 慰めてほしかったから?

 なのに私は、背を向けて逃げた。

 前の人生――。

 小島奈緒は、苦く笑うべきか、ため息をつくべきかも分からなかった。

「……それで、今は? これからどうするの?」

 声だけは、できるだけ柔らかくした。

 風間怜司は、ぼんやりとした目で答える。

「分かんねぇ」

 言い終わるか終わらないかで、携帯...

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