第84章

風間怜司はその場で風間邦夫に言い放った。

「選ぶも何もねぇだろ。俺は風間だ」

「俺が育つ間、一度も顔を出さなかった男が、なんで俺が成人した途端にしゃしゃり出てきて『父親』面できんだよ」

「さっきまで苦しかったのは、あんたが俺の親父じゃないからじゃねぇ。俺が――あんたの息子じゃなかったからだ」

「どれだけ怖かったか、あんたには分かんねぇよ。ここ数日……俺、めちゃくちゃだった。会いに来るのが怖くてさ」

「最初から、あんたが心の底から俺を息子だと思ってくれてるって分かってたら、こんな数日、地獄みてぇに悩まなかった。……あんたを、ここで待たせたりもしなかった」

「俺……」

怜司は憎々し...

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