第188章

「そうだな」

神代永世は、まるで先ほどの不愉快な出来事など何もなかったかのように、調子を合わせて言った。

「母さんも久しぶりの手料理だ。今回お前が来るからって、張り切って作ったんだぞ」

如月菫は忙しなく何度も頷き、すがるような眼差しで神代雪璃を見つめた。

だが、神代雪璃はわずかに拳を握りしめ、口元を引きつらせて冷淡に言い放った。

「いえ、結構です……神代の奥様」

そう言い残すと、彼女は足を止めることなく、無表情のまま神代家を後にした。

二人が翠峰湖荘に戻ると、神代雪璃は玄関に入るなり、無言のまま二階へと上がっていこうとした。

「二品ほど作るから、リビングで待っていてくれ」

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