第201章

月見優心は首を横に振り、唇を噛みしめながら言った。

「あの晩は風もなく、はっきりと聞こえました。それに……録音もあります」

「録音、ですか?」

千早弦は眼鏡のブリッジを指先で押し上げ、薄く笑った。

「あのような緊急事態に、月見さんは録音を回していたと?」

彼は一呼吸置き、言葉を継ぐ。

「それとも、神代雪璃があなたを車で撥ねることを、事前に知っていたのですか?」

その言葉に、法廷内がざわめいた。

月見優心は苦笑を浮かべた。

「神代雪璃を庇いたいからといって、そのような悪意ある邪推はやめていただきたいわ」

「私が外へ神代雪璃を探しに出た時、ちょうど七瀬晶子と電話をしていました...

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