第10章

榎本槙野が用意してくれていたアパートへ連れて行かれた。

合わないヒールを脱ぎ捨て、ふかふかのスリッパに足を通す。着替えを抱えたまま更衣室へ向かい、ふと鏡に映った顔を見た瞬間――喉の奥で悲鳴が引っかかった。

自分が酷い傷を負わされ、顔を壊されたことはわかっている。だからこそ、これまでずっと鏡を避けてきた。なのに。

鏡の中の、えぐれて、ねじれたような顔を見た途端――それが誰なのか、一瞬わからなくなった。

……これが、私?

榎本槙野が「鬼みたいだ」と言ったのも無理はない。醜く歪んだ輪郭、鋭く刺すような眼。鏡の中の私は、まるで怨霊そのものだった。

下唇を強く噛みしめ、私は足を引きずるよう...

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