第12章

新しく開発されたソフトは、前に途中で頓挫したものとは比べものにならない。享正グループの財務システムは再設計され、穴をこじ開けるのは簡単じゃない。けれど――事前に仕込んでおいたUSBのウイルスがある。

端末に挿し込むと、画面いっぱいにデータが凄まじい速度で複製されていく。それを見た瞬間、口元の笑みが、さらに深くなった。

この時点で、向こう側のPCは全台ダウン。私は指を止めず、キーボードを叩き続ける。いま電源を落とされたとしても関係ない。こっちからの操作は、すでに安定して回りはじめている。

5分後。

40億の資金が、榎本槙野のセーフティ口座へと滑り込んだ。

高鳴る鼓動のまま、私はノート...

ログインして続きを読む