第17章

小野寺のおじいさんは小野寺礼臣を連れて挨拶回りの酒席へ向かってしまい、しばらく戻れそうにない。私は向かいにいる小野寺允樹へ目をやり、グラスを持ち上げて遠くから小さく揺らした。

允樹はグラスを手にしたまま真っすぐこちらへ来て、私の前に腰を下ろす。穏やかな表情のまま声を落とした。

「さっきのは……清美にああいう言い方、よくなかった。彼女が君に優しくないのは分かってる。代わりに俺が謝る。でも、あいつに悪気はないんだ。思ったことをすぐ口にしちまうだけで」

私は眉を上げ、笑って彼を見る。

「ごめんなさい。前にあなたが『妻が家を出た』って言ったときは、正直、理由が分からなかった。でも今なら……少...

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