第32章

夕食を終えたあと、外は急に雨になった。

窓の向こうで雨脚がみるみる強まっていくのを見て、夏川清美は眉をかすかに寄せる。

「天気予報、当たらないんですね。明日から雨って言ってたのに……」

小野寺允樹が笑って彼女を見る。

「大丈夫。あとで俺が送っていくよ」

夏川清美は困ったように視線を泳がせた。

「でも、小野寺おじいさんが今日は旧宅に泊まれって……。允樹兄さんも、ずいぶんおじいさんと過ごしてないでしょう? 私、ひとりで帰れます」

風と雨が窓を叩く音の中、小野寺允樹はちらりと小野寺おじいさんを振り返り、すぐに言った。

「客室なんていくらでもあるし、前だって泊まったことあるだろ。俺が...

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