第38章

汐見奈緒に半ば引きずられるようにして彼女のアトリエへ連れて行かれ、椅子に座らされた私は、丁寧にメイクを施され、そのうえ彼女がわざわざ持ってきてくれたドレスに着替えさせられた。鏡に映る自分が、信じられないほど綺麗で、むしろ見慣れないくらいだった。

 私はもともと鏡を見るのが好きじゃない。整形して醜い傷跡が消えてからも、自分の顔をまじまじと眺めることはほとんどなかった。鏡の中の自分には、いつだって他人を見るような違和感しか覚えない。

 「葉夏、やばいって。綺麗すぎる。今夜は間違いなく、会場でいちばん目を引くのはあんただよ。信じる信じないは別として、明日のニュースに出てもおかしくないんだから」...

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