第95章 同じ穴の狢

橋本日奈は毎日病室に顔を出し、藤堂颯太を励ましては、時おり――わざとなのか無意識なのか――藤堂湊の動向まで漏らしていった。

「今日ね、聞いたんだけど。湊兄さん、また冬木澪を連れてクライアントに会いに行ったんだって。けっこう大きい案件らしいよ」

「冬木澪、昨日デパートで湊兄さんのカード使ってさ。何十万もするバッグ買ってた」

言葉はどれも小さな釣り針みたいで、引っかかるたびに、颯太の胸の奥の火がじわじわと強くなる。

そしてその一切を、高村さんは藤堂湊へ逐一報告していた。

「藤堂社長。藤堂部長がここ数日、颯太様を連れて原田会長、林田会长らと面会しています。それと、社内の中核データを複数回...

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