第99章 対談

「倉庫っぽい場所ではあるけど、座標がちょっと変だな」

藤堂湊はモニターへ身を乗り出し、地図の上を指先でトン、と叩いた。

「これ、三十年前の旧座標だ。いまの位置に当たるのは……郊外の廃工場」

「じゃあ、見に行く?」

冬木澪の目がぱっと輝く。

藤堂湊は窓の外に視線を投げた。雨はまだ、しとしとと降り続いている。

「明日にしよう」

「今夜はしっかり休め。明日は株主総会だ」

――株主総会当日。

藤堂グループの会議室は、空気が鉛みたいに重かった。

長いテーブルの両側に十数名の株主が座り、誰もが複雑な顔をしている。

藤堂湊は議長席に腰を据え、指先で机を軽く、規則正しく叩きながら、静か...

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