第100章

酒井初音には確信があった。御影良介が「好きに選べ」と並べた以上、どれを取ろうが新茶――そういう場だ。

ならば、見分けが難しい品種であっても、迷う理由はない。

一同は瞬時に察する。

ただ、胸の内ではこう思っていた。酒井初音が新茶を引き当てられたのは、御影家当主が手加減したからだ、と。

もし本当に新旧取り混ぜた茶を山ほど出して選ばせたなら――彼女に判別できるはずがない。

要するに。

酒井初音は、今泉理子ほどの「本職」ではない。

今泉理子は、酒井初音が選んだ茶団子をちらりと見て、瞳の奥に薄い嘲りを浮かべた。

――ちっ。やっぱり。酒井初音に実力なんてない。

茶団子が決まると、今泉理...

ログインして続きを読む