第145章

錠剤を飲み下した瞬間、御影怜司は体内にふたたび火種が跳ね上がったのを感じた。じゅわり、と熱が燃え広がり、四肢百骸を貫いていく。

――補いすぎたとき特有の、あの乾いた昂ぶり。

浴室は湯気で白く霞み、むせるような熱気が頭をぼうっとさせる。怜司は目を細め、片手で酒井初音の顎をつまむと、薄い唇をわずかに開いた。

「悪い女。今度は俺に、何を盛った?」

言いながら、長身の体はもう支えきれずに前へ傾き、少女の細い肩から首筋へとすり寄る。拗ねたような、言葉にしきれない委屈が声に絡んだ。

眉間をわずかに寄せたその顔が、反則みたいに格好いい。初音の視線が、思わず吸い寄せられる。

――はぁ……うちの旦...

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