第166章

久世雪菜は寝間着のまま上着を羽織り、屋敷の外で小刻みに震えていた。

十一月の冷気は骨の髄まで刺さる。まして真夜中ともなれば、身体の芯から凍りついていくようだ。

久世家の屋敷は年中セントラル空調で温度管理されている。寒くなれば暖房も入るから、十一月の矢のような冷え込みでも、雪菜の寝室は春のように暖かい。だからこそ、着込みも薄かった。

その雪菜の耳に、護衛や使用人たちの悲鳴と助けを求める声が突き刺さる。

「な……なに? 直哉が、まだ中にいるの?」

「早く! 助けに行って! 直哉は足が不自由なのよ。いつもなら部屋の前に誰かが夜番でついてるでしょう? 火が出たのに、どうして誰も連れ出してな...

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