第20章

「連中、やりすぎだろ。あの招待状なんて、久世家の誰が持ってても意味ないのに。わざわざ落札して、おまえに喧嘩売ってるだけじゃねぇか」

小谷弘幸は眉をひそめ、酒井初音の代わりに憤った。

彼は知っている。初音が『金融サミット』のために、どれほど準備してきたかを。

それなのに今夜、彼女の手元には招待状すらない。

……どれだけ悔しいだろう。

だが酒井初音は、口元だけを薄く引き上げた。瞳は氷のように冷たい。

少女は自嘲気味に笑う。

「もう慣れてるから」

これ以上に理不尽な目なら、何度も味わってきた。

久世家はいつだって言うのだ。

――久世美月は心臓が弱い、妹なんだから譲れ、と。

譲...

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