第37章

久世美月は悔しさを噛み殺したような、か弱く頼りない顔つきで前へ出た。

慣れた足取りで久世家の祖母のそばへ寄り、膝をついて顔を上げると、茶師と視線を合わせる。

その瞳に、同時にさっと「通じ合った色」が走った。

そして、ゆったりとした口調で言う。

「おばあさま。茶師の方を責めないでくださいね。この龍井は、これまでずっと美月が朝の4時か5時に起きて、薔薇園で集めた朝露で淹れていたんですもの。だからこそ、香りも味も格別なんです」

祖母の表情がいくらか和らぎ、慈しむように久世美月の手を握った。

「やっぱり美月は、おばあちゃん思いね」

三村正明は酒井初音の背後で、白目をむきそうになっていた...

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