第95章

皆、思わず御影良介へ視線を向けた。驚愕が、そのまま目に浮かんでいる。

御影良介は酒井初音を一瞥しただけで、肯定も否定もせず、ただ急かすように言った。

「向こうに空きがある。座れ」

「新しい茶を手に入れたところだ。今日は皆で味わおうと思ってな」

話題をすり替え、視線もそらす。

そもそも茶会に顔を出す連中は、家の揉め事よりも「良い茶」のほうがよほど気になる性分だ。

今泉理子は、酒井初音が御影良介に連れられて入ってきた瞬間から、ちらちらと品定めするように見ていた。

――ふん。顔は、たしかに整ってる。

けど、美しいものほど中身が空っぽって相場が決まってる。

御影良介が酒井初音を口に...

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