第11章

受付の女性はSNSに投稿すると、くるりと身を翻し、そのまま噂話に花を咲かせ始めた。

……

夕暮れ。RGエンターテインメントの控室。

桜井美優は、隣でうとうとしている星野結花の肩をつついた。

「もう午後ずっと待ったしさ。たぶん、今日は来ないよ」

そう言いながら、結花の髪を指先でそっと撫でる。

「帰ろ。送ってく」

星野結花はゆっくり瞼を上げた。

「……ドタキャンってこと?」

「スポンサーが怒るのなんて、あるあるでしょ」

美優は結花の顔を覗き込む。

「お腹すいてない? なんか食べて帰る?」

「いい」

結花は首を振り、今朝、新山晃から“借りた”男物の腕時計をちらりと見る。

...

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