第12章

「ふんっ!」

星野結花はツンと鼻を鳴らした。

「安藤さんを呼んで、着替えを手伝わせる」

新山晃はそう言うと、星野結花をベッドに下ろし、そのまま部屋を出ていった。

星野結花は手の中のトレンチコートを見つめ、くん、と鼻をすすった。

ほどなくして安藤さんが入ってくる。

「奥様、お着替えをお手伝いいたします」

星野結花は首を振った。

「安藤さん、服を探してくれればそれでいい。着替えまで手伝わなくていいから」

安藤さんはウォークインクローゼットから寝間着を抱えて戻ってくると、くすっと笑った。

「奥様、恥ずかしがらなくて大丈夫ですよ。昨夜も、奥様がうとうとしていらしたので、私が着替え...

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