第16章

「琉生兄さん……」

村井麻実は泣き出しそうな顔で池田琉生を見上げた。

「お姉ちゃん、私の顔、全然立ててくれないんだもん」

「その通り」

星野結花がツンと顎を上げて笑う。

「だって、あんたブサイクだし」

「お、お客様……こちらのカードですが……残高が不足しておりまして……」

店員が気まずそうに近づいてきた。

星野結花はそのカードを見て、ようやく思い出す。

先月、限度額まで全部切っていた。

「星野結花。そうやって俺の気を引きたいわけ?」

池田琉生が露骨にうんざりした顔で結花を見た。

「ほんと、ダサい」

結花の澄んだ瞳に、薄い嘲りが走る。

「お姉ちゃん、子どものパパって...

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