第17章

また新山晃だ。

昨日、ウォークインクローゼットに並んでいたのはぺたんこの靴ばかりだったのに、今日はなぜか、息をのむほど美しいヒールが数足増えている。

――この男、冷たいのは表面だけなのかもしれない。

……

夜10時。新山晃が星月ヶ浜へ戻った。

「旦那様、お帰りなさいませ」

安藤がスーツのジャケットを受け取る。

「……彼女は寝たか」

新山晃は眉間を指で押さえ、疲れを追い払うように問いかけた。

「はい。奥様はお戻りになってからウォークインクローゼットで少し過ごされ、その後お休みになりました。しじみ汁をご用意いたしましょうか」

「いらない」

それだけ言うと、新山晃は階段を上が...

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