第18章

「……喉、渇いた……」

「渇いたじゃない」新山晃がきっぱりと言い切る。「冷えたら困るだろ。出産のとき、痛い目を見るのはお前だ」

「渇いたの」星野結花はぱちりと瞬きをして言った。

新山晃はそれを聞くと踵を返し、水を一杯注いで結花に渡す。

結花は一口飲んでから顔を上げた。

「ねえ、どうして仕事行かないの?」

「週末だ」晃は短く答え、手の甲で結花の額に触れる。「今日はどこにも行くな。家にいろ」

結花は水のコップを置いた。

「……はーい」

「何か食べたいものは?」晃が伏し目がちに結花を見て尋ねる。

「私が食べたいの、あなた全部ダメって言うじゃん」結花の瞳に、ちいさな悔しさが滲む。...

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