第44章

新山晃は声を聞いた瞬間、眉間に深い皺を刻み、スマホを耳から離した。

「……誰だ」

低く問い返す。

『新山社長~、咲良だよぉ!』

受話口から飛び出してきたのは、耳にまとわりつくような甘ったるい声だった。田口咲良。

『病院まで送ってくれてありがとぉ。あと、星野結花の件も片づけてくれて、ほんと助かったぁ!』

「……」

『でもね新山社長、星野結花ってちょっと可哀想じゃない? これ以上いじめないであげよ? 私、優しい子だからぁ。星野結花のこと、許してあげよ?』

村井麻実と同じ台本。聞き飽きた。

「誰がお前に、俺が彼女を辱めると言った」

新山晃の声は冷え切っていた。

あんなに柔らか...

ログインして続きを読む