第77章

突然名指しされた星野結花は、きょとんとした顔で壇上の村井麻実と池田琉生を見上げた。

スタッフがマイクを差し出す。結花は戸惑いながら視線を落とし、桜井美優に小声で尋ねる。

「……今、何て言ったの?」

「祝福、言えってさ」美優が声を落として返す。

「あ、そっか」

結花は気まずそうに笑い、形だけマイクに向かった。

「えっと……池田さん、村井さん。おめでとうございます」

大勢の視線が集まる中、当たり障りのない言葉を一言だけ口にした。

「ありがとうございます、お姉さま……!」

村井麻実は感激したように涙をぽろぽろ落とした。

――演技うまっ。

結花は内心で拍手しそうになる。いっそそ...

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