第80章

新山晃の低い笑い声は、やけに妖しく耳にまとわりつく。骨ばった指先が、星野結花の小ぶりで整った顎を軽くつまみ上げた。

「我慢……?」

新山晃は片手で結花の後頭部を守るように支え、そのままソファーへ押し倒す。彼女の腹のあたりだけは、わざと圧をかけないように距離を残して。

喉の奥で擦れるような、掠れた声。

「こんな可愛い妻がいるのに、誰が我慢なんてできる」

……

グランヴィラ。

バスルーム。少女の白い肢体がバスタブの湯に沈み、細かな水の粒が鎖骨のあたりをふわりと包む。雪のような肩が湯の中から覗き、淡い桃色の頬は艶めいて――本来なら、それだけで絵になるはずだった。

けれど、その美しさ...

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