第5章

若菜視点

新しい仕事に就いてわずか二週間で、私は自分のアパートを見つけ、早苗の家から引っ越した。今、私はアパートの壁にかかったカレンダーをじっと見つめている。一月十二日。何か月も前に、まだ自分が誕生日パーティーを企画し、ケーキを焼き、息子が蝋燭の火を吹き消すのを見守るものだと信じていた頃に、誰かが赤いマーカーで丸をつけた日付。

今日が、勇人の誕生日。

一睡もできなかった。目を閉じるたびに、あの裁判所で見た彼の顔が浮かび、あの酷い嘘を口にした彼の声が聞こえる。それでも、あの子は私の子供なのだ。今日で七歳。せめて会う努力さえしないなんてことが、どうしてできようか。

携帯電話はテー...

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