第7章
システムの計らいで、私は五億円と新しい身分を手に入れた。
システムはすぐに私に別れを告げた。
『私は行きます。新たな任務を遂行するために。あなたはここで、どうかお元気で』
「もう行っちゃうの?」
二言三言交わした後、私は名残惜しさを強く表した。
心の中では、一生会わなければいいのに、と思っていたけれど。
それから一年以上の時が経ち、システムが本当にいなくなったことを確認してから、私はようやく東京へ戻る決心をした。
あんなに素敵な彼氏を、このまま逃がしてしまっていいはずがない。
それに、私は彼を傷つけた。
どんな目的があったにせよ、私はあの行為に及んだのだ。
...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 番外 宮本利
縮小
拡大
