第8章
夢から覚めると、額はびっしょりと汗で濡れていた。支離滅裂な夢のせいで心は乱れ、頬が火照る。
「堀込さん?」
小声で呼びかけてみたが、返事はない。
頭を冷やそうと、学園のプールへ向かうことにした。冷たい水に浸かれば、少しは落ち着くかもしれない。
朝のプールはたいてい誰もいない。それは私にとって好都合だった。
バスタオルを体に巻き、素足でタイルの床を歩いていくと、プールサイドに黒川司の姿を見つけた。
彼は私に背を向けており、そのすらりとした影が水面に映っている。思わず踵を返そうとしたが、まだ終わっていない任務のことを思い出した。
『堀込さん、この機会に任務を一つ、クリア...
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