第153章 もし生き残ったら、やり直してくれないか

八幡誠言の身体から、ふっと支えが抜けた。次の瞬間、彼は仰け反るようにして湿った急斜面へ投げ出され、そのまま転がり落ちていく。どんどん速く、どんどん速く――まるで山頂から落ちた石みたいに。

「八幡誠言――!」

鳴海絃星が斜面の縁へ飛びつき、手を伸ばす。けれど掴めたのは、雨に冷えた空気だけだった。

「パパ!」

八幡一辰は全身を震わせ、堪えきれずに涙を溢れさせる。

雨脚はさらに強まり、天地の境目さえ溶かすような、灰色の雨幕が一面を覆った。

鳴海絃星は迂闊に動けない。まずは八幡一辰とはるかを、集合場所へ戻すしかなかった。

はるか母さんは、はるか父さんがはるかを見失ったことをまだ責めてい...

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