第158章 若林詩羽:一辰、誕生日おめでとう

八幡誠言は八幡一辰の肩に手を置き、そっと握ってやった。低く、落ち着いた声で言う。

「誰がそんなこと言った」

「ばあばが。『ママはこれからパパに近づかないほうがいい』って」

八幡誠言の瞳が、わずかに細まる。

肩に置いた指が一瞬だけ止まり、やがてゆっくりと手を引いた。

「俺は……お前のママ以外と結婚しない」

八幡一辰は唇を噛んだ。

「じゃあ……ママは、パパのこと、まだ要る?」

言い方を選ぶみたいに、少し間を置く。父を傷つけたくないのが、声の端から伝わってくる。

「なんか……ママ、パパのこと、あんまり好きじゃない気がする」

八幡誠言の胸を、誰かに指先でつつかれたみたいだった。痛...

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