第18章 浮気相手のくせにこんなに堂々としているなんて

坂東が言いかけた、その瞬間――彼女のスマホが鳴った。

鳴海絃星からだ。

「もう車の前に着いた。あなたはそのまま出てきて」

「承知しました」

坂東はそう応じ、わざと語尾に力を込めて八幡誠言へ振り向く。

「八幡社長、私はこれで失礼いたします」

鳴海絃星がわずかに息を呑む気配が、通話越しに伝わった。

「……八幡誠言に会ったの?」

「はい」

「リモートで車、開けて」

坂東がドアを開けると、鳴海絃星は素早くトランクから上着とマスク、帽子を取り出し、慣れた手つきで身を固めた。

それから土井優夕へ電話をかける。

「優夕。ネットに強い友達、腕はどう? 個人のスマホに――入れる?」

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