第181章 連れ去られる

瓦礫の下に澱んでいた陰が、いったん引いた。劫を越えて再会したぬくもりだけが、ほんの短いあいだ場を包む。

救助隊が素早く駆け寄り、白鳥縁一の外傷を丁寧に処置し、骨折した左脚を固定する。止血のための簡易包帯を巻き、ただちにこの危険な鉱区から撤収する段取りに入った。

空は完全に沈み、夜の帳が荒れた山林一帯を呑み込む。冷たい風が硝煙と土埃の匂いを運び、闇の奥には何が潜むか分からない。静けさが、かえって胸をざわつかせた。

誰もが神経を張り詰め、ほんの一瞬の油断すら許さない。ただ一刻も早く、いつ牙を剥くか分からない死地を離れたかった。

鳴海絃星は白鳥縁一の傍らにしゃがみ込み、彼の頬にこびりついた...

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