第49章 八幡社長は奥様に会いに行くのか?

八幡誠言がオフィスを出て、エレベーターホールに差しかかった瞬間、反対側から岩崎深が慌ただしく駆けてくるのが見えた。

八幡誠言は足を止め、岩崎深に視線を落とす。

「どこ行ってた」

岩崎深が一瞬固まる。

「八幡社長、俺は……」

「お前、クビになりたいのか。会社に誰でもホイホイ入れるつもりか?」

岩崎深が弁解しようとした矢先、八幡誠言は畳みかける。

「それに昨夜のバーだ。若林詩羽を、どうして止めなかった。あいつに俺を連れて行かせた理由は何だ」

岩崎深は口を開きかけて、言葉を失った。

数秒の沈黙ののち、恐る恐る切り出す。

「八幡社長……それって、社長が黙認してたからじゃないんです...

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