第9章 ネックレス

鳴海絃星には、八幡誠言がなぜ唐突に電話をかけてきたのか分からなかった。

けれど利用明細を見て、ようやく気づく。

自分が使っていたのは――彼の金だったのだ。

彼女はすぐさま送金して返そうとした。だが画面には、相手が連絡先に登録されていないという表示が出る。

スマホをじっと見つめたまま、しばし沈黙。

そして結局、鳴海絃星は端末を伏せた。

――いい。

この勘定は周年パーティーで、面と向かって精算すればいい。

ほどなくして、周年パーティー当日。

鳴海絃星は車で会場へ向かい、降りた瞬間、八幡誠言と鉢合わせた。

視線がぶつかる。

彼は鳴海絃星を見た途端、思わず足を止める。

真珠み...

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