第124章 終わった

具体的な理由は彼にも分からないし、あえて尋ねようとも思わなかった。

二人が最後に別れた時、桜井さんはそれまで体を売って得た金を全額、篠崎社長に返済した。それ以外の手当は、一銭たりとも受け取らなかったのだ。

それらの行動は、桜井さんが篠崎社長の傍にいたのが、金目当てなどでは決してなかったことを雄弁に物語っていた。

その後、篠崎社長は何かと理由をつけて桜井さんに会おうとしたが、彼女は頑として首を縦に振らなかった。それどころか、連絡先を全て削除し着信拒否にするほど、その拒絶は徹底していた。

それに気づいた時の篠崎社長は、何度も電話をかけ続け、やがて呆然と携帯の画面を見つめていたものだ。

そ...

ログインして続きを読む