第167章 間に合った

昭子の顔から血の気が引いた。彼女は悲鳴を上げ、半狂乱になって身をよじる。かつて自分を汚したこの男に対し、抱くのは生理的な嫌悪感だけだ。

九条は苛立ちを隠せない様子で、彼女の両足首を掴むと、強引にその身を押さえ込んだ。

恐怖に震えながらも、昭子は仮面に手を伸ばす。

何としてでも、この下種な男の正体を暴かなければならない。

だが、彼は彼女の動きを予期していたかのように手首を捕らえると、それを頭上で拘束し、逆の手で彼女の衣服に手をかけた。

その時だ。

突如として、地下駐車場に凄まじいエンジンの轟音が響き渡った。

一台の真紅のスポーツカーが、猛スピードでこちらへ突っ込んでくる。周囲にいた...

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