第304章 よく考えてください

「司はただ、愛する女を娶りたいだけなんですよ。そんな些細な願いさえ許さず、追い詰めて殺すような真似をすれば、外聞が悪いどころの話じゃありません。そもそも、たかがそんな理由で篠崎家が揺らぐなんて、未来以前に、今ここで家が潰れてしまいます」

 恒平はそう言い捨て、やるせなさそうに首を振って篠崎の大奥様を見やった。

「母さん、俺にだって分かる理屈が、どうして母さんには分からないんですか」

 息子からの非難めいた言葉に、篠崎の大奥様の怒りが沸点に達する。

「そんなこと、分かっているに決まっているだろう!」

 恒平もまた声を荒らげ、鋭く言い返した。

「本当に分かっているなら! こんな真似は続けない...

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