第306章 杏と涼

男にそう指摘され、昭子はかえって恥ずかしくなり、小さな声で応じた。

「だめ……」

「どうしてだ?」

「私たち……まだ結婚してませんから」

頬を赤く染める彼女の姿に、司の胸が高鳴る。彼は思わず手を伸ばしてその顎をすくい上げ、無理やり視線を絡ませると、甘い声で誘いかけた。「昭子、いい子だ。言えば帰ってやる」

昭子はいっそ目を閉じてしまった。なんて意地悪な人なのだろう、と呆れる。

「嫌です。恥ずかしいもの」

頬を膨らませる様子に、司はさらに口角を上げた。それ以上無理強いはせず、彼は告げる。

「いいだろう。だが昭子、忘れるなよ。新婚初夜には、俺が満足するまでたっぷりと啼かせてやるからな...

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