第31章 美月ちゃんは大丈夫

桐山霖は困惑した表情で、それ以上説明しようとはしなかった。

先ほどの音声は偽造したものにすぎず、江口美月が具体的にどうなったのか、彼もまだ知らないのだ。

「彼女のこと、しっかり面倒を見てやってくれ。俺はまだやることがあるから、明日の朝また来る」

須田鶴雄は、とっくに準備してあった赤ワインと夜食に残念そうな視線を送り、仕方なく頷いた。

彼が去った後、須田鶴雄は逸る気持ちを抑えきれず、男友達のグループチャットで夢中になってゴシップをばらまいた。

【今日、桐山霖が女の子を俺の家に連れてきたぞ! あいつが一人の子にこんなに夢中になるの、初めて見たぜ!】

グループチャットは瞬く間に...

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