第333章 姉の様子

桐山林太郎が向ける侮蔑の眼差し。それを肌で感じ取りながらも、今の桜井昭子には、そんな些末な感情に取り合っている余裕など微塵もなかった。彼女はただ、静かに、けれど腹の底に響くような声で告げた。

「この件については、桐山様によくお考えいただきたいのです。三時間後、改めてお返事を伺いに参ります」

三時間あれば、篠崎司も英国に到着しているはずだ。その時になれば連絡がつき、自分も英国へ向かうべきか否か、決断できるだろう。

結局のところ、桐山涼は桐山林太郎の息子だ。父親が息子の遺体を引き取りたいと望めば、桜井昭子にそれを阻止する法的な権利はない。だが、涼の遺言には『桜井杏と共に葬ってほしい』と記され...

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