第336章 ただいま

かつて篠崎家と桐山家には深い確執があったのだ。そんな場所へ桜井昭子を行かせるなど、どうして安心できようか。

もし桜井昭子の身に何かあれば、篠崎司が戻った際、ただでは済まないだろう。

双方の主張は平行線をたどり、須田樹はどうしても首を縦に振らなかった。その様子を見て、昭子は仕方なく時間の確約だけを取り付け、最終的な決断は篠崎司の帰国を待つことにした。

彼女は墓地へ足を運び、桜井杏の墓をじっと見つめた。その目元には、名残惜しさが滲んでいる。

「お姉ちゃん、桐山家が承諾してくれたわ。お姉ちゃんを桐山家の嫁として認めて、桐山涼さんと一緒に埋葬させてくれるって」

姉は死ぬ瞬間まで、桐山涼を愛し...

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