第337章 彼の傷は重い

桜井昭子はどこか違和感を覚え、彼の顔色を窺うようにして尋ねた。

「司、どうしたんですか?」

篠崎司は首を振り、眉間を揉みほぐす。

「少し寝不足が続いただけだ。疲れが溜まって、微熱があるみたいだ」

そう言うと、彼は目配せで須田樹に子供を連れて行くよう合図した。桜井昭子は、ユウちゃんが人見知りをして嫌がるのではないかと案じていたが、予想に反してユウちゃんは素直に彼女の膝から下りた。そして須田樹のそばへ歩み寄ると、抱っこをねだるように両手を広げたのである。

以前のユウちゃんも十分に聞き分けの良い子だった。だが、今のユウちゃんは単に聞き分けが良いというだけでなく、まるで大人たちの顔色を窺い、機嫌...

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