第340章 賭け

桜井昭子もさすがに疲れを感じていた。横になる前、篠崎司の背中にある傷口をじっと見つめ、眉をひそめる。

篠崎司は手を伸ばして彼女を引き寄せると、首を横に振って応えた。

「俺は大丈夫だ。心配するな。お前はゆっくり休め」

低く落ち着いた声が桜井昭子の耳元で響き、不安に揺れる心を少しずつ鎮めていく。彼女は篠崎司のほうへとにじり寄り、男の体温をすぐ傍に感じてようやく安堵し、間もなく眠りに落ちた。

このところ、彼女はまともに休息を取れていなかった。ずっと篠崎司のことが心配で気が休まらなかったのだ。今、彼がこうして戻ってきたことで、桜井昭子はようやく肩の荷を下ろすことができた。

彼女が目を覚ました...

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