第397章 江口美月、出てこい

葉山琪一は腕時計に視線を落とし、そろそろ親友をからかうのはおしまいにしようと決めた。これ以上引き延ばせば、親友が心底想っている女が、本当に他の男の腕の中に納まってしまいかねないからだ。

「いいか、一つ情報をやる。聞きたいか?」

「御免だな」

篠崎修斉はすげなく答えた。今の彼は何に対しても興味を失っている。湊市でのプロジェクト案件さえなければ、指一本動かすのも億劫だと言わんばかりの態度だ。

葉山琪一は鼻で笑った。

「江口美月のことでもか?」

その名を聞いた途端、篠崎修斉の眉がわずかに動いた。だが、口を開こうとはしない。

その反応に、葉山琪一は片眉を上げてさらに煽る。

「てっきりあの...

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