第407章 彼は努力した

耳を疑った。篠崎修斉が、今なんと言った? まさか望月延に謝罪しようというのか?

ありえない。まるで狐につままれたような気分だ。それはあまりにも、篠崎修斉らしくない振る舞いだった。

江口美月が呆気にとられている間に、篠崎修斉はすでに向き直っていた。望月延に対し、歯を食いしばりながら告げる。

「……悪かった」

明らかに不服そうな響きだった。本心から望月延に詫びているわけではない。ただこの謝罪を足がかりに、江口美月にもう一度チャンスを乞いたいだけなのだ。

言い終えるや否や、彼は素早く江口美月の方を向き、真摯な眼差しを向けた。

「美月さん。俺は今まで生きてきて、誰かに頭を下げたことなんて一...

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